2024年6月18日

じゃぶじゃぶの雨
かずさ 2024.06.18
誰でも

昨夜、自転車での帰り道雨に打たれた。日中は蒸し暑くタンクトップで過ごしていたくらいなのに、帰りは雨に打たれて自宅に着く頃には頭痛が始まっていた。とりあえず薬を飲んでスパイダーマンの続きを見る。明日は午前中に「矯正図書館」の予約をしているから起きないと、と思いつつ寝落ちする。

朝七時半目が覚める。うっかり窓を全開で寝てしまい、めちゃくちゃ寒い。滝のような雨の音を聞きながら、窓を閉めに起き上がることさえ億劫になりそのまま二度寝する。隣の家からスポーツ観戦をしているような声援が聞こえてくるのだけれど、他国にサッカーの日本戦でもやっているのだろうか、しかしそんなことはどうでもいい、とにかく眠い。

すっかり熟睡してしまい、起きた時間には矯正図書館を予約していた10時は過ぎていた。今日は工務店の人が押し入れを直しにやってくると聞いていたけれど、何時に来るか聞いていなかった。しかしこの雨だ、本当にやってくるのだろうか、などと思いながらスマートホンを見るとガンガン知らない番号から着信が入っている。まずい。掛け直して見るとおじいさんの声。数日前押し入れを見に来た工務店のおじいさんの声に間違いない。

「〇〇ハイツの〇〇です」

「はい?」

「今日工事に来ていただく予定の〇〇です、〇〇ハイツの」

「はい?」

ええ〜・・・全然ボケとる〜。

それは薄々、どう見てもよぼよぼのおじいさんがよぼよぼしながら部屋にやってきて押し入れをよぼよぼと足でチェックし、よぼよぼと帰って行った数日前にも不安に思っていたことだった。

とりあえず記憶にない様子だったので大家さんに取り次いでもらおうと連絡をしたら、大家の奥様の上品な声の後ろでまたもジジイの声が聞こえる。(ジジイとか言ってすみません)わたしが入居させていただいているこのアパートの家主さんはもうお年で、今は息子さん夫婦が管理していると聞いていたが、きっと後ろで聞こえる声の主が、お年寄りの家主さんなのだろう。そしてこの工務店のおじいさんはきっとジジイ家主さんの代からの付き合いなのだろうと察した。

結局もう一度工務店のおじいさんにわたしから連絡をして日にちを改めることになり、根気強く思い出させるために何度も「〇〇ハイツの、一階の、奥の押し入れの腐った板を取り替えてもらう、」と最初から全部説明して、「は?」となるたびに大きい声で何度もしつこいくらいに説明してようやく記憶を取り戻していただき、あさって工事に来てもらえることになった。もちろん一抹の不安。

うちの祖父も自営業で工務店をしていて、今92歳で、本当に最近になるまで仕事をしていたけれど、こんな感じだったのかも知れないな、と思いがけずおじいちゃんのことを思い出していた。身体は老いても、長年建築業界で働いてきた経験から自信と技術はあるし、まだまだできるという気力もあるのだろうけれど、八十代で屋根の上で作業をする姿は周りをヒヤヒヤさせていた。ようやく引退(したつもりはないかも知れないけれど)してくれて家族は安心したけれど、同時に、趣味もなく仕事一筋だったおじいちゃんから仕事を奪うことは本人の生きがいを失うことでもあったから、そういった心配は今でもしている。どんなふうに毎日過ごしているのだろうか。離れて暮らしているので想像することさえ難しい。

それにしてもよく降っている。窓を閉め切っていると隣家の生活音も聞こえて来ず、ただ雨が屋根を地面を打ちつける音だけがする。とりあえず寒いのでお湯を沸かしてコーヒーを淹れる。スパイダーマン3を見ようと思うが「スパイダーマンTM3」のTMがなんなのか気になってしまう。わたしの知っているTMはTMレボリューションくらいなのだが。とりあえず再生。しばらく見ていたけれどやっぱり寒いのでシャワーを浴びる。見切ってしまうとつまらないから、再生途中のまま本に手を伸ばす。読みかけの本が三冊。チョ・へジンの「光の護衛は短編集なので、一つ読んでは違う本を読むようにして少しずつ読んでいる。児童書の「森は生きている」はずっと積読にしていたけれど昨日電車移動の時に読み始めて、今日にも読み終えるだろう。それから昨日買った「文藝夏号」は芥川賞候補になっている向坂くじらさんの小説を読み進めている。

今更だけれど朝矯正図書館の予約をキャンセルもせずに行けなかった自分に自責の念を感じ始める。予約制なのはもしかして予約時だけ人が来て開場作業をしてくれるシステムだったのかも知れない、と思うと、この雨の中誰かに迷惑をかけたのだな、と反省している。(単にコロナ対策の名残で予約制なのかも知れないけれど)スパイダーマンでメイおばさんが言っていた「まず自分を許すこと」という言葉を思い出しながらも、こんな些細なことで発揮する言葉として理解するわたし、なかなか都合良すぎるだろう。以前の住居では雨の日は部屋でガンガン音楽をかけたりギターを弾いたりできたけど、この住宅街の静けさの中では、さすがにそうもできる気がせず、今のところ音楽は聞いてないし、映画はイヤホンで見ているし、静かさに順応して静かに暮らしている。窓の雨戸を締めると遮音性が高まり、割と音を出せるかも知れないけれど、めんどくさい。古い雨戸は木が経年劣化で腐りかけていて、桟の部分と雨戸を収める木の部分が特に劣化しているのも気になるのでなるべく使わずに休めておきたい。(使わなければ使わないでさらに劣化するのだろうけれど。)寒さでお腹も痛くなってきたが、暖かい起毛素材のパジャマをどこにしまったのか不明。仕方がないのでウインドブレーカーを羽織る。

スパイダーマン3を見終わり、次の「アメイジング・スパイダーマン」を見始めるが、トビー・マグワイヤやないし、設定自体も変わっていて慣れない(涙)しばらく見てみたけれどどうしても楽しめず、すっ飛ばして最新作をみようと思う。そうこうしている間に16時。雨の中買い物に行くのもめんどくさい、とにかくめんどくさい病。今日もご飯を炊いてインスタント味噌スープで過ごすだろう。
明日は晴れ予報。午前中に区役所に行ってケースワーカーさんに会う。そのあしで図書館に行ってみよう。利用者登録をしたら今後本を借りれるようになる。買い物にも行こう。引っ越して未だガスコンロを使っていない。食材を買ってフライパンも買って、明日は調理をしよう。夕方はFEELCYCLEの予約をしている。運動をして、明日の予定は以上。人間の回復する日々。

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