2024年7月3日
地獄には底がないということを知った。ブラックホールやんか、もう今どこらへんにおるんかもわかりゃあしない。だからもう、これが底やなって安心は許されない。出るのだ。地獄から脱出しなければ。
生活保護、自己破産、もう羅列したらつんだ〜〜〜、としかならないでいて、これが底だと思っていたら、ラスボスのように2階にモンスターがおった。
そもそもはわたしが敷地内全面禁煙のこの物件で煙草を吸っていたことが悪かった。2週間前くらいだろうか、大家さんから「住民の方から苦情が入っているのでやめてもらえますか?」と電話があった。換気扇の下で吸ってしまっていた。本当に申し訳なく、謝罪して、それ以降敷地内では吸わず、近くの公園の喫煙所などで吸っていた。しかし、3日前、煙草を吸って部屋に戻ると、その直後に「たばこ臭い!!!」という怒声が聞こえ、直後に、ドンドンドンドン!!!!と、ドアをノックする(ノックというかもう殴っている)音がして、出ると、白髪色白の太ったおばさんが、鼻にハンカチを当てながら「煙草やめなさい!!!」と怒っている・・・
「先日はすみませんでした。タバコはもう敷地内では吸ってません。外に吸いに行ってます」
「じゃあこの匂いはなんなの?!」
なんだろう・・・今吸って帰ってきた残り香か?
「わたしをガンにする気!?もう2度と窓を開けないで!」と無茶難題を突きつけてくるので
「すみません、本当にもうここでは吸ってないんです。それでは・・・」とドアを閉めようとしたらドアの隙間にムチムチの体を挟み込んできて、入ってこようとした。
わー
それでもう押し合いみたいな。「もう引っ越してちょうだい!出てって!」
と叫ぶババあ、
「わかりました〜〜〜〜!大家さんにお話ししますね〜〜〜!」とわたしももう怒ってしまっていて、押し合いへし合い何とかババアをドアの外に出した。
その後も叫び続けるババア・・・
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その後すぐ大家さんのところに行って事情を話し、でもそもそも私が大家さんから連絡を受けた後に直接謝罪に行けていなかった(誰か教えてもらっていなかった)ので、ちゃんと謝りたい、でもすごいヒステリーな状態になってるから、大家さんも一緒に来て欲しいということをお伝えした。
で、その後大家さんがババアに電話をかけ続けてくれているのだけれど連絡がつかないらしく、今日までまだ謝りに行けていない。
早くこの一件を終わらせたい。外で大きい声でババアが話している声が聞こえてくると、わたしの悪口を言ってるのでは、という被害妄想も出てきていて、いや本当にそうなのかもしれないけれど、自分でもわからない状態で、このまま憎しみ合いになりたくないから、もう吸っていないことをちゃんと理解してもらうために、ちゃんと話したいのだ。。。
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よく考えたら、以前から2階から大理石の板でも落としているかのようなドスン!という音がたびたびするのも、抗議によるものだったのかもしれない。でもこれも被害妄想かもしれない。こういうメンタルでいると、全ての物音がそういう風に聞こえてきて、本当に良くない。そんなわけでこの3日間はひたすら外にいた。外にパソコンや本を持って行って、寝る寸前まで外にいる。安心の我が家はどこに行った・・・でも最初にルールを破ったわたしが悪い、でももうやってないのに永遠にこれが続いたら・・・ともう疑心暗鬼で安心して家にいられない・・・
そんなこんなでこの3日、外での活動は捗った。FEEL CYCLEに行って、東京国立博物館に行って、今日は以前からお世話になっている写真家さんと近所をお散歩した。
そうやって考えると、ババアによって得られた利点もある。まず煙草を吸う本数は確実に減った。公園まで行くのが面倒なので、一日2箱吸ってしまっていたのが、1箱になった。それに、起き上がれない病だったのに、外に出られるようになった。荒治療ではあるけれど、効果覿面。ババアは神だったのかもしれない・・・
あと、消臭剤が高い買い物のように思っていて持っていなかったけれど、ババアが臭い臭い騒ぐので一番高いファブリーズ(ファブリーズプレミアム)を買い、日夜消臭しまくって、なんだか部屋がいい匂い。ババア、ありがとう・・・うん、もう感謝することにしよう。できれば会って謝りたいけど、大家さん避けられ続けてるし、会えないかもしれないけど、きっといい匂いで察するだろう。
そうして地獄の淵に指先をちょっと引っ掛けることができた。
FEEL CYCLEはやっぱりメンタルにかなり良い。運動をして大量の汗をかき、たくさん水分をとって深い呼吸をすることも、大好きなクラブ状態(ガンガン音楽を聴きながら暗闇にミラーボールの照明)で体を動かすことも、レッスン後にシャワーを浴びてさっぱり洗い流す行為も、全部が気持ちを切り替えてくれる。だからもうこれは継続だ、高いから諦めようかとも考えていたけれど、カウンセリング代だと思って通おう。そしてカウンセリングは、区が実施している無料のカウンセリングを利用しよう。
昨日行った東博では内藤礼さんの展覧会「生まれておいで 生きておいで」を鑑賞した。内藤礼さんの作品は、見ると必ず涙ぐんでしまう。その空間にいるだけで溢れてくるような涙で、悲しい涙ではもちろんなく、なんだか自分でもわからない部分に触れて、いつの間にか感動している。小さな小さな秘密に触れて、一つずつ発見していく喜びのような、そういう体験をさせてくれる鑑賞時間で、本当に美しい。
内藤礼さんの作品との出会いは2010年に訪れた「豊島美術館」の「母型」で、その後お誘いがあって運営のアルバイトも住み込みでした。初めて見た時は、本当は他の作品(ボルタンスキーの「心臓音のアーカイブ」)も帰りに見ようと思っていたのに、もう胸がいっぱいで何もこれ以上入ってきて欲しくない、溢れてしまう、という状態になって、海沿いの崖の上から陽が沈むまでずっと海を見ていた。アルバイトをしていた10ヶ月間は幸せなことに、毎日ずっと「母型」の空間の中で、水が生まれてくるのを、リボンが風に舞うのを、ただただ見つめている時間があり(もちろんお客さんが来たらちゃんと看視しないとなのだけれど)雨の日も風の日もどんな日も美しかった。内藤礼さんはことばも素晴らしいけれど、言葉がなくても、小さな水滴と光だけがそこにあるのだとしても、喜びを発見させてくれる、それは自分自身の存在を肯定してくれるものであり、そんな瞬間に心が震えるのだろうか、と思う。
明日は朝からFEEL CYCLEに行き、午後は都営に乗って美術館に行く。それと並行して、混沌としている脳みそから悩み事を取り出して並べてみる、という作業をしたい。それから自分がどうして行きたいのか。自分が今までやってきた制作も同じように取り出して並べて、さあどうする、今何がしたい?って、自分に問いかける時間を持ちたい。
追伸今日気持ちが上向きになったのは、今日が支給日だからだと思う。お金で一喜一憂するわたし。恐ろしい。
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