鬱日記③

夜中の散歩
かずさ 2024.06.29
誰でも

夜煙草を吸いに外に出る。雨はもう止んでいた。今日は本当に一日中寝ていて何もしていなくて、合間に起きて、夕方からの映画を予約した後にまた寝てしまい千円を無駄にし、こういう時何かしようとすると必ずしくじるのだな、ともう大人しく回復を待とうかと思った。外で煙草を吸いながら「うつ期」と友人にラインを送ると電話がかかってきた。

「あたしもよ」「ははは やっぱり?天気かな」「違うわよ、自己破産の手続きよ」
友人も今自己破産の手続きをしている。それで役所に行ったり弁護士さんの事務所に行ったり、毎日面倒な文書を読まなければいけなかったりで疲れていて、その発散として課金ゲームや中国ドラマを永遠に見てしまっているらしい。
しばらく公園の入り口で煙草を吸いながらあれこれ話をして、電話を切った頃には気持ちが楽になっていた。こんな言い方はあれだけれど、人生で大きな失敗をやらかした人の話は面白い。しかしそれは、本人が大きく反省していて、それを言葉から感じられるから共感を持って話が聞けるし、何より、映画か小説でない限りありえないような(少なくともわたしには)経験をして、途中で人生を投げてしまうことなく生きてきた人の言葉には力がある。どのエピソードもあまりにもよくできた話(という目線で聞くのも良くない)だから、小説にしたらいいって勧めたが「いやよ!」と断られる。わたしが今学ぶべき「プライバシーの侵害と表現の自由」についての究極のようなところで、

「読んだ人が一人でも傷ついてほしくない」から書けないと言っていた。
だからフィクションというものがあるのだろうとわたしは思っていたけれど、どうやらそういうことでもないのだろうか。
経験を種に、想像力で膨らませてフィクションとして表現したとしても、確かに、その中で書かれた人が「自分のこと」だとして、例えば3つほどの細部が一致して、「わたしのことをネガティブな印象を持たれる書き方をされた」として、傷つくこともあるかも知れない。
何にせよ本人が表現したくないことを他人が強制することもないが・・・

***

帰宅し、わずかにやる気が湧いたので鍋に火をかけてナスと玉ねぎと卵のお味噌汁を作った。味覚に異常をきたしているのか、カニの味がする。やたら美味しい。
あと5日。7月3日に保護費が入るまでは現金が207円。コインパーキングに自転車を停めることができないので、ICカードにクレジットカードから引き落としでチャージして、明日は新宿に。
しかし、ちゃんと計算してみると、保護費から7月の家賃、未払いの横浜の家賃(日割り)を7万円くらい支払い、自己破産の手続きの進捗によるのだろうけれど、まだ支払いが続けばそこからリボ払いとローンの返済で2万円くらい支払い、FEELCYCLEの会費に一万八千円支払い、結局3万円くらいしか手元に残らない。まずい。やはりどう考えてもFEELCYCLEをしている場合ではないが、わたしにとってマインドフルネスとセラピーの時間・・・今月調子悪いのが行けてない影響もある気がしている・・・悩ましい。
7月は行きたい演劇も全て我慢、映画は今日予約したくせにいけないという千円の無駄遣いしたのでもう行かない(戒め)だからとにかく無料で行ける美術館・博物館・図書館の本で楽しむのだ。〇〇公園には馬がいるらしいし、動物に会いたくなったら行こう。

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